研究紹介
【研究テーマ】
鍼灸刺激部位としてのツボの機能学的解明
【研究内容の概要】
鍼灸にとってツボは治療点のみならず診断点としても用いられ、その臨床的意義も高いとされています。そのためツボに関する研究も多く行われてきました。しかし、ツボは様々な概念を含むという複雑さから、今のところツボが何かという問いに関して明確な答えを示すことができません。
一方、ツボを鍼灸の刺激部位(治療点)として考えたとき、臨床家の多くは刺激部位として圧痛点のような反応点を利用することが多いというアンケート報告があります。圧痛点は昔から阿是穴(あぜけつ)として親しまれており、ツボと関連が深いものと考えられてきました。その意味でも圧痛点もメカニズムを詳細に検討していくことが鍼灸の刺激部位としてのツボの正体解明につながると考えられます。
そこで我々は実験的に圧痛点モデルをヒトと動物で作成し、その詳細を検討することから、圧痛点、更にはツボの成因を探っています。
@ツボとは何か?
ツボは体のあちこちに存在し、現在教科書として記載されているものだけでも約400近くも存在します。普段はこのツボすべてに反応があるわけではありませんが、ひとたび病気になるとその病気に合わせてあちこちが痛くなるのです。そのためツボは治療のポイントとして利用されるばかりでなく、病気の診断点としても利用され、ツボは鍼灸にとって重要な存在になっています。
そのため今までにツボに関し多くの研究が成されてきました。ツボを刺激部位(治療点)として捉えた場合、ツボは形態学的に血管や神経、リンパ管などの分布が多い以外に目立った特徴はなく、組織学的にどの組織を指してツボというのか不明です。また、ツボは圧痛点や電気抵抗の減弱など反応点との関連を示唆するものが多いですが、ツボを決定づける特徴は機能学的にも見つかっていないのが現状です。
よって「ツボて何?」と尋ねられたとき、その答えを明確に示すことは残念ながら今のところ出来ないのです。
@圧痛点とツボの関係
ツボを鍼灸の刺激部位(治療点)として考えたとき、臨床家の多くは刺激部位として圧痛点のような反応点を利用することが多いというアンケート報告があります。また、圧痛点は昔から阿是穴(あぜけつ)として親しまれており、ツボと関連が深いものと考えられてきました。また圧痛点の一種であるトリガーポイントの示す関連痛のパターンと経絡がよく似ているとの報告もあります。この様に圧痛点とツボは密接な関係にあるのです。
@Trigger Point(トリガーポイント)て何?
トリガーポイントは別名引き金点とも言われる圧痛点の一種です。トリガーポイントは名前が示すようにそこが原因となり(引き金となり)、他も部分に痛みをもたらしている場所のことを言います。例えば手先に痛みを感じているのにも関わらず、その痛みの原因は手先になく、肩や肘など遠く離れたところに原因(トリガー)があることを言います。
圧痛点の中でもトリガーポイントは特にツボと関連が深いと考えられています。ある人の報告では筋筋膜性疼痛症候群の患者のトリガーポイントとツボは70%と高い一致率にありました。また活性化されたトリガーポイントで示される関連痛のパターンは経絡と良く一致するとの報告もあります。以上のことからトリガーポイントとツボは密接な関係にあると考えられます。
@研究方針
トリガーポイントに関する基礎的な研究は比較的進んでいます。例えばトリガーポイントは索状硬結(ロープみたいな硬い物)の上の出現し、そこから特異的に筋電図活動や局所単収縮が起こるとされています。これらの現象はトリガーポイント特有の現象とされており、トリガーポイントを含む圧痛点のメカニズムとの関連が注目されています。この様な報告(現象)をヒントに我々も研究を進めていきたいと考えています。
@その他研究に関すること
痛みに関する出版物のリスト(川喜田研究室のページにリンク)