http://www.meiji-u.ac.jp/faculty/dep_phy3/polymodal/polynews.html

2006年10月発行

出来事あれこれ  上から新しい日付順に並んでます 

  • 2005 WFAS international symposium of acupuncture in Portugal 2005.1.4〜6
     国際鍼灸学会2005がポルトガルで開催されました。今回はEC圏では全く知られていない、日本の鍼灸を紹介したいという実行委員長の土屋先生(ポルトガル在住で鍼灸)の希望に応える形で、全日本鍼灸学会が国内外で活躍している先生方にポスター作成を依頼し、「日本の鍼灸紹介ポスター展」が行われました。ポスター展示の様子はこちらへ
     内容は以前、京都で開催したときの鍼灸最前線をバージョンアップさせた形で、ヨーロッパ圏からの参加者ははじめてみる日本の鍼灸事情に興味深く見ていたようです。 いずれこれらの内容は、全日本鍼灸学会のweb上でpdfとして公開される予定となっていますので、お楽しみに。今回うちの教室からは川喜田先生と岡田が参加し、途中で村瀬氏(彼もポスターを出した)が合流しました。あちらは水よりもビールやワインの方が安いこと、大体夕飯が9時頃で夜中まで普通に店が開いているということもあり、FAD(ポルトガルの伝統歌謡)を聞きに行ったりと楽しい時間を過ごしてきました(帰国してからは地獄のように溜った仕事が....笑)

    The revised polymodal receptor hypothesis of acupuncture and moxibustion- a possible explanation of the acupuncture points

    11/4 14:30~ Ballroom 2

    Examination of responsible receptor and afferent fiber for moxibustion in human subject

    11/4~6 Poster session


  • 国際東洋医学会 in 韓国(大邱 テグ) 2005.10.21~24
    第2回日韓鍼とEBMワークショップが開催されました。今回は整形外科系疾患に対する鍼の効果のエビデンスについて日韓双方からの現状報告が行われました。


    国際コンベンションセンター


    学会ポスター前にて


    学会ポスター前にて


    川喜田先生 発表


    伊藤先生 発表


    KBS放送が撮影に。。


    ディスカッション1


    ディスカッション2


    ワークショップ終了後、集合写真


    釜山 鉄道駅


    大邱-釜山を走る特急列車 KTX

    続きはこちら

  • 夏期セミナー in 青木湖 2005.9.4〜6.
    今年は愛知医科大学痛み学講座のお世話で、夏期セミナーがこれまでない豪華な施設青木湖セミナーハウスで開催されました。例年になく9月に入ってからの開催だったため、参加者の顔ぶれはいつもと違っていたようですが(かく言う私も所用のため不参加だったもので)、新顔も含め総勢41名の参加があったようです。以下、発表演題&スナップ写真です。

    変形性膝関節症に対する温灸治療の効果
      瓜生 典子

    駆血負荷で誘発された硬さの要因に対する検討
      森定 真

    ホルマリン侵害性刺激に対する中枢神経系の反応の性差
      萩原 裕子

    発表順、photo by マダ〜ムH

  • 村瀬氏来研 2005.8.30.
    久しぶりにひょっこり遊びに来てくれました。鹿児島でいろいろと活躍中だそうで、頼もしい限りです。
    今年11月にポルトガルで開催されるWFASにも、ポスターを出すそうです。我々も参加しますので、現地で会えるのを楽しみにしつつ....

  • お知らせ  上から新しい日付順に並んでます

    ポリモーダルクラブ設立25周年記念パーテイー開催!

    早いもので、この会も設立されてから25年経ちました。
    詳細は「ポリモーダルクラブとは?」のページをご参照ください。


    第一回目は1992に岡山のペンションで行われました。来年の鍼灸学会は岡山で開催されることから、学会(2007年6/8〜10)の前後に同じ岡山にて25周年記念の集まりを開催することが急遽決められました。日時や場所など詳細が決まり次第お知らせ致しますので、ぜひ多数の皆様にお集りいただけきたくお願い申し上げます。

    閑話休題  NEW

    学習の分子メカニズム? 

                                     生理学 川喜田健司

     学習技法というと、効率よく学ぶためのテクニックを思い浮かべがちであるが、ここでは少し切り口を代えて、最近の神経科学の研究が明らかにしてきた「学習の仕組み」を簡単に紹介する。学習には記憶が不可欠なので研究分野でも学習と記憶は表裏一体の関係になっているが、現在その分野で注目されているのが、「グルタミン酸受容体とそれが引き起こすシナプスの可塑的な変化」である。

     どうも難しい専門用語が並んで頭が痛いかも知れないが、少しお付き合い願いたい。

     まず専門用語の説明をすると、グルタミン酸は昆布の旨味の素として知られているアミノ酸、「味の素」そのものである。グルタミン酸受容体とは、ニューロンの細胞膜にあるグルタミン酸と特異的に結合する部位をもつタンパク質(ここではNMDA受容体を指す)である。シナプスとは、我々の脳などの神経系を構成するニューロン(神経細胞とも呼ぶ)が、別のニューロンや筋細胞などと情報交換する場所であり、可塑性とは、どんな形にも変われる性質を表す語句である。

     それでは、昆布をかみしめながら授業に臨むと学習効率の向上するのか?それが新しい学習技法か!と言われそうであるが、話はそう簡単ではない。また、授業を聴いてノートを取っているのにどこに分子メカニズムがあるのかと奇異に感じるかも知れないが、もう少し忍耐強くこの先を読んでもらいたい。

     ではグルタミン酸受容体をもつニューロンで何が起こるのであろうか?

     そのニューロンにシナプスしている別のニューロンが高頻度で興奮すると、多量のグルタミン酸がニューロンの軸索終末から放出され、それがグルタミン酸受容体と結合する。すると、そのニューロンが別の受容体を介して電気的に興奮し、その結果として細胞の外からカルシウムイオンが細胞の中に流入する。それが引き金となってさまざまな酵素が活性化され、細胞内メッセンジャーやタンパク質のリン酸化をおこなうキナーゼによって反応が連鎖的に起こり、その最終的な結果としてニューロンの核の特定の遺伝子を発現させ、タンパク質を合成させる。つまりニューロンの電気的興奮が、最終的には遺伝子発現を生じてその興奮に応じたタンパク質を作り出し、それがニューロンにおける学習・記憶をもたらすという訳である。タンパク質の合成がシナプスにおける連結を維持することに役立っている訳である。

     そこで問題になるのは、ニューロンとニューロンは1:1の関係ではなく、少なくとも1:数百以上の関係である。となると、ある特定の神経(ニューロン)から来た信号によって、シナプスでつながっているニューロンにある特異的なタンパク質が合成され、その結果として、ニューロンの可塑的な変化が生じたとしても、その情報がどのニューロンから来たか判らなければ意味がないのも事実である。そのために、ひとつのユニークな仕掛けが用意されている。シナプス部位では、その信号の源を間違えないために、数百あるとされるシナプスの中で、実際に信号の入ってきたシナプスには分子タグがつけられる。そして、そのシナプスのグルタミン酸受容体の活性化によって最終的に作られたタンパク質は、そのタグのあるシナプスだけで用いられ、その結合を長期的に保持できることになる。

     これが現時点では学習や記憶と呼ばれる現象を支える基本的なメカニズムと考えられている。

     では、本当にグルタミン酸受容体が学習に関連しているのか?という疑問に対してはいくつかの答えがある。アンパカインとよばれるNMDA受容体の活性化を促進する物質をネズミに与えると、学習が速まること、またその受容体の働きを抑えると学習が遅れることが明らかになっており、グルタミン酸伝達の増強が学習の促進に関連していることは間違いないようである。このような学習の仕組みは脳のはたらきの基礎でもあり、またヒトの人格形成にも密接に関わっている。

     この難しそうな文章をここまで読み終えて、多少なりとも脳の仕組みに興味を覚えたら、ひとつの学習技法、「今判らなくても、あきらめずに最後まで学び続ける」ことの大切さを体得してもらえたと、著者としては大いに満足するところである。

    (学習技法テキストより抜粋)