日本東洋醫學硏究會
Japanese Society of Oriental Medicine研究会設立にあたり
平成27年8月14日,安倍内閣は敗戦後70年の節目として談話を発表した.3000字を超える長文で,それまでの内閣が発表した談話とは異なり,正しく歴史を認識し,未来に向けた素晴らしい談話で,まさに「戦後レジーム(Regime:体制・政治体制)からの脱却」を意図した発展的な内容であったと思う.
さて,明治政府によりそれまで主流であった東洋医学が西洋医学に取って代わられてから,約150年が過ぎようとしている.今や西洋医学も保健政策の重点を“治療から予防へ”と移し,“未病治”という概念が東洋医学だけのものではなくなってきた.このような時間経過の中,東洋医学は果たして正しく発展してきただろうか.その時々の風潮に流され誤った方向に進んではいないだろうか.
そのような疑問が生まれ,東洋医学の正しい発展を想うとき,「内外合一 活物窮理」,すなわち“西洋医学と東洋医学,あるいは内科と外科の区別なく一つに合わせて,生きている物全ての道理・法則を究める”必要性を感じ,これを実践することを目的に平成23年に春林塾を開塾した.
このたび開塾から5年の節目を迎えるにあたり,春林塾を前身として,より多くの日本における東洋医学に関心を寄せる関係職種の人々が,互いの交流と研鑽を重ねることを通じて,この分野の発展とお互いの向上を図ることを目的に日本東洋醫學硏究會を発足した.
江戸時代以降に日本において発展すべきであった東洋医学の姿に立ち返り,現在の情報を加味しながら,目の前で起こっている全ての事象を,東洋医学で考え,東洋医学で理解できるように,新たな概念や新たな理論,あるいは新たな言葉などを構築するfieldとして「日本東洋醫學硏究會」を活用して頂ければ幸いである.
日本東洋醫學硏究會 会長 松本 和久
本会の会則