実体験ができる空間
退院に際して、「このくらいの生活ならできると思いますよ・・・」
医療に従事している人が何気なく使う言葉ですが、当事者にしたらどうでしょう?
きっと「本当ですか?」と言いたくなると思います。
当施設では「昔ながらの障壁のある生活空間」と、障壁を取り除いた「バリアフリーの生活空間」の、異なった二つの空間を設置し、居室での生活はもとより炊事、入浴、排泄などの一連の動作を体験できる環境を整備しています。それだけでなく、施設を利用される方々がお住まいになられている近隣の住居を模した玄関までのアプローチや畑と、自動車から車椅子で出入りできるアプローチを設置し、屋内だけでなく屋外での生活も視野に入れた生活空間を整備しています。
「・・・はできるだろう」という見込みではなく、
実際に生活を体験し「・・・できる!」と確信することは、退院後の生活の自信に繋がるだけでなく、適切な住宅改修の指標となります。
また認知症(痴呆症)の皆様にとっては、懐かしい昔ながらの空間は心安らぐ空間でありそこでの作業療法(模擬生活体験)はより効果的なものになると考えられます。