循環器系
循環器疾患は,慢性に経過して徐々に病状が進行していくものから,急性に発症して直接生命を脅かすきわめて重篤な疾患まで幅広く存在し,その内容も多様であります.したがって,その診療にあたっては個々の患者の病態を正確に把握し,的確に治療方針を立てて対応しなければなりません.当院では,主に高血圧,虚血性心疾患,不整脈などの診断,治療にあたっています.更に,数年前より経皮的冠動脈拡張術(PTCA)を始め,狭心症の治療に威力を発揮しています.また,重症の不整脈に対しては,ペースメーカーの植込みも行っています.
検査について
心臓超音波検査
狭窄流や弁逆流,短絡血流など心腔内の異常血流の検出による定性診断とともに,流量計測や圧推定などの定量診断や心機能評価にも臨床応用されています.心エコー法は,いくつかの方法(パルスドップラー法,連続波ドップラー法,ドップラー断層法など)を組み合わせて駆使することにより互いにその欠点を補い,心・大血管の解剖学的構造とそれの関連情報および血流情報が非観血的無侵襲に得られる方法であり,循環器領域の臨床において心電図法,胸部X線法とともに不可欠の診断法として定着しています.
心臓カテーテル検査
この検査は,血管および心内圧の測定とともに心血管造影が行われるが,心内腔の大きさと形態,さらにその収縮機能を評価する上にきわめて重要であります.また,弁による逆流の程度の量的評価,弁や中隔,血管壁の解剖学的検討などに欠くことができない検査法であります.
疾患について
高血圧症
高血圧症は高い血圧が持続して心血管系に慢性の圧負荷が加わることにより,主要臓器(脳,心,腎)や血管系に障害をもたらす疾患であります.高血圧症は日本における死因の第2,3位を占める脳血管疾患,心疾患の代表的な危険因子であることがよく知られています.現在、我が国では約3,000万人の患者が存在していると言われており,受診率も全疾患を通じて第1位であります.