震災ボランティア派遣の報告会開催

2011年3月11日にありました東日本大震災の復興支援を行うために、本学から放射線被ばく者のサーベイ活動に附属病院放射線科の北村真技師が、また、被災地での緊急医療支援活動(鍼灸治療)に鍼灸学部臨床鍼灸学教室の今井賢治教授と伊藤和憲准教授が参加されました。そこで、本学では貴重な体験をなされた3名の先生方をお招きし、学生・教職員を対象にボランティア講座と報告会を開催致しました。

まず、被災地でボランティア活動を行いたいと考えている学生たちからの要望で、5月18日にボランティア講座を開催しました。ボランティア講座には20名ほどの学生が集まり、今井先生からボランティア活動に関する心構えやボランティア活動をするにあたっての注意事項等を、ご自身のボランティア経験で踏まえて講義してもらいました。

また、5月24日にはボランティア活動報告会を開催し、実際にボランティアに参加された3人の先生方をお招きし、ボランティア活動を通じて体験した貴重なお話をお伺いしました。当日は学生・教職員合わせ約50名が集まり、熱心に先生方のお話に耳を傾けていました。先生方からは、これから現地でボランティア活動を行おうと考えている場合は、食料や宿泊先などの準備はもちろんのこと、被災地では予期せぬ危険を伴う場合もあるので、自分の身を守るのは自分であるという意識をきちんと持って慎重に行動することが大切であること、さらには自分一人で行うのではなく、団体(各地方自治体・公共団体・NPOなど)に登録するのが望ましいことなどがアドバイスされました。

また、被災地で医療活動を行う場合は、日常よく遭遇する症状でもその原因は複雑であることが多いため、単純な症状と片付けるのではなく、その原因を適切に見極める能力が必要であること、また、必要に応じて他の医療者と連携することが大切であることが強調されました。

ボランティア講座・報告会を通じ、被災者に医療を施すことだけがボランティアでなく、現地の医療環境を整えることがなによりも大切な復興支援であるため、現地の先生方と連携しながら長期的な支援が必要であることを学びました。

学生たちにとって、災害時におけるボランティアの現状やそのあり方を学ぶことが出来たことは、とても良い機会になったのではないでしょうか。