5. 骨格筋の代謝と運動の観測

(1) 骨格筋の収縮・変形のDWIによる観測
(2) 肝臓左葉のDWIにおける心臓に同期した信号低下

(1) 骨格筋の収縮・変形のDWIによる観測
骨格筋が収縮・変形に伴い、組織の中では複雑な体液の移動があると予想される。水の複雑な移動は拡散強調MRI(diffusion weighted MRI:DWI)の信号がintravoxel incoherent motion(IVIM)効果により減少することが知られている。従って動かす骨格に伴い変形する骨格筋の信号低下が観測できる。図は上腕のDWIで、母子、示指、中指の屈伸運動に伴い収縮・変形している領域に信号変化が認められている。
指の運動に伴う収縮・弛緩の筋群の描出
さらに通電刺激に伴う変形では、通電で収縮する領域の信号変化を電圧パルスから観測までの遅延時間をずらして繰り返しDWIを計測することで、電位パルスに伴う筋収縮の経時変化を捉えることができる。
通電刺激による骨格筋の収縮領域のDWIを用いた観測動画
https://youtu.be/jlRv2exGMTY

(2) 肝臓左葉のDWIにおける心臓に同期した信号低下

肝臓左葉は心臓に接する組織で、心臓の拍動にともない変形圧力を受けている。仰臥位によるMRIを観測すると新は駆動にともない数ミリメートルの肝臓の変位が観測できる。この変位にともう変形で信号の低下が観測できる。