本の書評
ここではMRIや医療に関する一般書を紹介します。
MRI関連
雑誌:
1. Jornal Magnetic Resonance: NMRの原理を含め基礎の雑誌。高度だが原理的話題の論文が掲載される(所蔵)
2. NMR biomedicine: レビューがよくかかれ、医学応用を含め幅広いレビューアーが寄稿している。(所蔵)
3. Magnetic Resonance Imaging: MRIを中心に論文が寄せられ、新しい技術の原理についての寄稿もある(所蔵)
4. Radiology: 北米放射線学会の論文雑誌だが非常の多くの論文が掲載されている。(所蔵)
5. Magnetic Resonance in Medicine:国際磁気共鳴医学会(International Society for Magnetic Resonance in Medicine)の雑誌で医学領域のMRI/NMRスペクトルの技術的な話題が多い
6. Jornal Magnetic Resonance Imaging:国際磁気共鳴医学会(International Society for Magnetic Resonance in Medicine)の雑誌
fMRI関連
- 脳のネットワーク:オラフ・スボーンズ/下野昌宣訳(みすず書房):脳のネットワークは今fMRIの世界でホットな領域である。デフォルトモードネットワークが脳領域間の同期変動として報告されて初めてそういう脳活動があるのをしったのが思い出されますが、この本を読むともっと古い歴史を持って脳機能活動がネットワークとして生み出されていることを知りました。それどころか全てのシステムにネットワークを持って成立しているようです。また本書でなども繰り返しでてくるのは脳の機能分化と機能結合です。意識もそこから生まれるとしています。かなり難解な部類の本ですが脳研究で最近(2014年に初稿)起きたことを良くまとめています。参考文献も沢山あり、著者の博学ぶりに関心します。
- 心の脳科学:坂井克之著(中公新書) :このセンターでも1992年頃からfMRIを利用した体性感覚刺激による脳活動について研究してきた。一般には2000年ごろから導入され始めた高磁場のMRIの普及でより詳細な研究がなされるようになった。この本はfMRIで脳のなにがわかるのかを教えてくれる。SF的な近未来の話から始まり、今のfMRIの現状や研究について分かり易く解説している。[付属図書間蔵書]
- イヌは何を考えているか:グレゴリー・バーンズ著(化学同人): 犬は長い年月人間と共に歩み、友好を温めてきました。犬との信頼関係なしには行えない犬の脳研究のお話です。犬が自らMRIのコイルに頭を入れ、飼い主の指示に従っい、その時の脳活動を記録するとう研究の話しから物語りが始まります。著者はその他の動物の脳にも研究対象を広げてゆきます。fMRIやMRIに関心のある人、犬が好きな人には是非読んでいただきたい1冊です。(私の飼っている犬もできるかしら?)
- 脳を司る「脳」−最新研究で見えてきた、驚くべき脳の働き-:毛内 拡 著(ブルーバックス): 2020年に出版されたこの本では著者の薬理神経学を基軸に様々な脳研究が展開します。神経アミン酸の様々な働きから脳活動の特性を説明しています。また拡散のMRIで話題になっている脳内の隙間を埋める水の循環で、血液からグリア細胞の1つのアストロサイトの足の血管との接面にあるアクアポリン4を通して水が流れることが分かってきました。細胞間隙を流れた水は再び静脈へと同様の経路で送られます。この間隙を流れる水循環をグリンファティックシステムと名付けています。まだ十分に確認されていませんが、様々な研究が進めれ、睡眠時に脳内の水スペースが拡大することなどは睡眠の大切さを再認識されています。
- 睡眠の科学 なぜ眠るのかなぜ目覚めるのか/:櫻井 武 著(ブルーバックス): 2010年に出版されたこの本は、2017年に改訂新版がでました。オレキシンを発見した著者が睡眠のトリックを丁寧に解説します。脳の仕組みは本当に不思議ですね。そして睡眠は大事です!
医学IT
医療統計
- 統計学は最強の学問である:西内 啓著(ダイヤモンド社) :統計を全く知らない人向けには、身近な生活の中での統計の使い方や会社での集めたデータの有効な使い方など一般的な事例が紹介されている。また、統計を学んだ人向けには、差名ざま名統計手法が数式無しで説明されている。若干説明のわかりにくい箇所はあるが、統計を知らない人や少し統計を勉強した人に読んでもらいたい一冊。[付属図書間蔵書予定]