割合の問題の考え方
1.「羊羹を分ける」ことを例に
割合の例題としては”羊羹(ようかん)を5人に分ける”という例題が最もよいです。
まず、羊羹1本を用意します。
羊羹を5人に分けるには五等分します。一人分の羊羹は最初の1本の1/5となりますね。
1/5とは1を5で割った数です。つまり1÷5=0.2となりますね。
さて、割合の基本は1割です。羊羹1本全部を”10割”と表現します。従って1割は1/10、つまり0.1となります。従ってこの0.2は羊羹の2割(色の濃い部分)のことですね。
これを百分率(%)で表す場合、今度は羊羹1本が100%となりますので、1%は0.01(=1÷100)となり、0.2=0.01×20=20%となります。
2.分けた羊羹から全体を求めるにはどうするか
それでは逆に1/5の羊羹が15gの時に全体の羊羹の重さはどのように求めればよいでしょうか?
1/5だと簡単ですね。全体の計算は15g×5=75gとなります。
さてこの5を出すにはどう考えればよいでしょう。
1/5=0.2=0.1×2でしたね。1/5の羊羹15gを2で割り、全体の0.1を求め、それを10倍すると全体が求まることになります。つまり、15g÷2×10=75gで全体が求められます。もう少し式を整理すると15g÷0.2となります。
ここまでくると何となく”0.2″という数字に意味があることに気づきますね。割合が分かっていると全体が求められることも理解できたでしょう。
3.食塩水の濃度の計算へ
生理食塩水の塩濃度は0.9%です(なぜ0.9%の塩濃度の食塩水はなぜ”生理”と付くかは調べてみましょう)。500gの生理食塩水に含まれる食塩の濃度はどれくらいになるでしょうか考えてみましょう。
まず、0.9%を図に表すと以下のようになります。
つまり全体の0.009なので含まれる塩の量は500g×0.009=4.5gとなります。
このように割合は全体を1としたときに小数点で表すと簡単です。
また逆に、4.5gの塩で0.9%の食塩水をつくるときは4.5gが0.009なので4.5gを0.009で割ることで求められます(4.5g÷0.009=500g)。求められたのは出来上がった生理食塩水の重さです。従って加える水の量は500g-4.5g=495.5gとなりますね。簡易的には500gの水で溶いてもよいかもしれませんが厳密にはこのように求めます。
4.比の計算を利用する
相似形の図形は各辺の長さが比例しています。この比例の関係を利用して長さを求めることができます。相似である2つの△ABCと△DEFがあります。辺ABと辺DEが4:3なら辺BDと辺EFも4:3です。
同様に辺ABが12cmで辺BCが6cm、辺DEが9cmなら辺DEは4.5cmとなります。
一般では辺DEが不明でaとすると比例式は以下のようになります。
辺AB:辺DE=辺BC:a → 12:6 = 9:a
この比例の式から未知数aを計算するにはいくつかの方法があります。基本は内積と外積が等しいとすることです。
12×a=6×9 → 12a=54 → a=54÷12 = 4.5 答え 4.5cm
と計算されます。
この比例の計算を利用して割合の問題を解くことができます。
羊羹の1/5の問題では、1/5つまり0.2が15gで全体は1およびa(g)となります。従って割合の式では以下のようになります。
0.2:1=15:a → 15=0.2a → a=15÷0.2=75 (g)と成ります。
同様に食塩の問題では、生理食塩水の濃度(0.9%=0.009)で、食塩の重量がa(g)とし、食塩水の量が500gとなります。従って、濃度は(食塩の量)÷(食塩水の量)で定義されるので、比例の計算式は以下のようになります。
0.009:1=a:500 →a=500*0.009 = 4.5 (g)