表計算ソフトのいろは
表計算ソフトはコンピュータを計算機として利用する基本的なソフトウエアでその開発の歴史は古くMicrosoftのExcelが有名です。ここではLibreOfficeを例にその機能を説召します。表計算ソフトは、その名前の通り計算、データを並べ、大きさを比較したり、並べ替えたりする。とくに重要な機能としてグラフの作成がある。ここでは計算機能の利用法とグラフの作成法について説明する。多くの教科書、ホームページなどでその詳細な利用法が紹介されているので参考にして欲しい。また、計算ソフトの簡単な利用を”表計算ソフトはこんなに便利”にまとめておきました。Excelは何ができるのと思っている人にはExcelチュートリアルで一通りできることを見ることができます。
1. ソフトの機能と名称
2-1. 数値入力
2-2. セルの計算と値のコピー
2-3. 自動入力(オートフィル)
2-4. 関数の利用
3. 便利な機能
3-1. セルのコピーとペースト
3-2. 行・列の挿入や削除
3-3. データの並べ替え
3-4. 書式の変更
3-5. 表データの出力(書き出し)
3-6. 画像の挿入
3-7. シートの移動とコピー
3-8. シートの部分印刷(印刷領域指定)
グラフ作成は、グラフの書き方ページを参照
1. ソフトの機能と名称
3-2. 行・列の挿入や削除
3-3. データの並べ替え
3-4. 書式の変更
3-5. 表データの出力(書き出し)
3-6. 画像の挿入
3-7. シートの移動とコピー
3-8. シートの部分印刷(印刷領域指定)
表計算ソフトは、Excel, Apple社のNumbers, LibreOfficeの表計算などはほぼ同じレイアウトを持っています。
シートのタブは”+”をクリックしてシートを増やすことができます。
新しいシートタブをクリックするとシートの名前を変更できます。
シートの名称は以下の通りです。また、シートの下にはシート名のタグがあり、これをクリックすることでシートを切り替えることができます。Microsoft Excelではこのシートの束をbookと呼んでいます。
2. 数値、数式、関数、テキストデータの入力と自動入力(オートフィル)
2-1数値入力
: セルには数値やテキストを入力できます。半角文字(Macでは英数キーをおした時)かテンキーの数字は数字として認識され、セル右詰めで表示されます。一方、文字はセル左詰めに表示されます。よく小数点(“.”)とコンマ(“,”)を間違えて入力したため少数が左詰めになることがあるので注意ましょう。*ただし、ヨーロッパでは小数点に”,”を用います!
2-2. セルの計算と値のコピー
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“=”の後の計算とセルの参照:セルに”=”(半角/英数)に続けて数式(または関数)を入力すると計算ができます。数字の代わりにセル番号を入力すると、その指定したセルの値を参照することが可能です。そのセル番地で指示した値がコピーして入力されます。
表計算での基本として四則演算(+, -, ×, ÷)があります。四則演算では×と÷は”*”と”/”を利用します。
・ セルに式を入れる(足し算と引き算)
セルに数字と式を入れる場合は英数キーで直接入力します。足し算では “=1+2″、引き算では”=3-1″と入力します。
セルを変数として入力することもできます。以下のようにA3のセルにA1とA2の足し算をするのであれば次のようにします。
1) A3をクリックし
2) “=”をキー入力し
3) A1をクリック
4) 続いて”+”をキー入力
5) A2をクリック
6) リターンキーを押すと右図のように計算結果が示される
範囲を選択してコピーする場合次のどちらかの方法を用いることができる。
a) 範囲をマウスポインターで囲む
b) 左上をクリックし、shiftキーを押しながら右下をクリックする
囲んだ範囲をコピーしたり、囲んだ範囲にペーストしたりすることができます。
・ セルのかけ算と割り算
基本は同じく”=”の後に数字をいれ、かけ算は”*”を、割り算は”/”を利用します。
・ 二重カッコや三重カッコも同じ記号”(( ))”
A1*3+A2*3+A3*3+A4の結果を1.05倍する場合は下図のように、括弧を使って合計を計算し、その結果を1.05倍することができます。式としては、”=((A1+A2+A3)*3+A4)*1.05″となります。(1.05倍すると5%消費税を加えた価格を表示できる。A4は送料や代引き定数量に当たる。)
2-3. 自動入力(オートフィル)
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セルの右下にカーソルをあわせるとカーソルが”+”に替わります。この状態でマウスを左スイッチをクリックしたまま下に引き延ばすとセルが自動入力されます。これをオートフィル機能と呼びます。(例:セルA3の右下) オートフィルは連続するセルに値が指定されている時に利用できます。例ではA1とA2、A3のセルにそれぞれ1, 2, 3がすでに入力済みであればこのA1-A3のセルをマウスカーソルで塗り、右下端のにカーソルを合わせてカーソルのマークが”+”に変化させ、左クリックしたまま下にスライドさせて行います。こうすることでA4以下の数字が自動入力されます。
また、一列だけ項目が入力されていれば、隣の列のオートフィルは右端の四角ドットをダブルクリックしてオートフィルすることができます。例えばC列に1から100まで入力されていて、D1, D2に”2 , 4 ・・・”と入力されているとするとき、D1とD2を塗ってD2の右端をダブルクリックするとD100までオートフィルします。(ダブルクリックしてオートフィル)
iPadでの自動入力(auto fill:自動入力)は、コピーするセルをマウスポインターで塗って、「塗りつぶす」をクリックし、マウスポインターを下のセルに移動することで自動入力を行います。
相対参照と絶対参照
特定のセルや行だけ位置を固定したい場合に位置の絶対参照を利用します。記号”$”を固定したい場所の前に置きます。ショットカットはMacではcommand+Tで、WindowsではF4(function 4)です(2023.06.09)。
例1:A$3 →セルを下にオートフィルをするときに”3″は変更されない。
例2: $A3 → セルを左にコピーしたときに”A”は変更されない。
例3: $A$3 → セルをどこにコピーしても変わらない。(式の中で定数を参照する場合などに利用)
絶対参照の例として、消費税の計算を以下に示します。消費税8%のところの数字を変えると税込み価格が表のすべてにおいて計算されます。
その他”表計算ソフトはこんなに便利”を参照してください。
2-4. 関数の利用
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関数とは一連の計算を一つのコマンド(単語)で表示するものです。中学でf(x)=ax2+bx+cという2次関数を学習しましたね。これはf(x)がax2+bx+cとい2次関数を表すと定義されています。このように一連の計算式を一つの単語で表したものを関数とよびます。関数f(x)ではfはxの関数となっています。表計算ソフトの関数ではこのxに相当する値を引数と呼びます。
合計の関数(SUM: summation)を例に説明します。関数は”=”に続いて入力します。例ではセルB11に合計の関数(SUM)が用いています。括弧内のA1:A10が”SUM”関数の引数です。この”=sum(A1:A10)”は、A1セルからA10までを合計します(つまり次の式になります)。
SUM(A1:A10)=A1+A2+A3+A4+A5+A6+A7+A8+A9+A10
合計関数の計算結果はA11に示されています。B12は標準偏差(STDEV(standard deviation))関数の利用を示しています。
このように表計算ソフトでは英語の略語で関数名がつけられています。
関数はセルに直接”=”の後に入力し、括弧の中に引数であるセル番地を入力します。2018年のexcelでは関数の候補がプルダウンメニュー表示され(図右)、マウスで選択して利用します。
関数を利用するにはf(x)クリックして入力するか、上のメニューから挿入/関数を選択します。
メニュー/挿入/関数で関数を挿入すると関数ウイザードが起動します。(右に関数の例を示します)。sumは合計、averageは平均、stdevは標準偏差です。その他の関数については”ヘルプ”を利用したり、webで調べたりしましょう。挿入した関数の説明は関数ウイザードウインドに現れます。さらに次へをクリックすると関数ウイザードの右下に引数のウインドがあらわれるので必要な引数(例えば平均ではその平均をとるセルの番地)を指示します。おもな関数に以下のような関数があります。
最大値: MAX
最小値: MIN
データ数: COUNT
最頻値: MODE
中央値: MEDIAN
頻度: FREQUENCY
参照: VLOOKUP
その他の役立つ関数
そのほかに多くの関数が用意されています。挿入→関数で入力するとリストが表示されます。特に、特定の条件に合うデータを抽出する関数は様々なデータ処理に利用します。
if
if(データセルと条件, [真の場合], [偽の場合]) ;真/偽はそのセルが条件に合っているか合っていない場合に何をするかです。たとえば指定したセル(A1)のデータが10より大きい場合は”高い”を表示し、10以下の場合は”低い”を表示するなら次のような表記になります。
=if(A1>10, “高い”, “低い”)
ifs
if(データセルと条件, [条件1], [条件2], ) → if(a1>=10, “高い”, a1>=5 “中”, “低い”)
countif
条件に合ったデータの数を数える ; countif(データ範囲, 条件) → countif(a1:a15, “リンゴ”)
条件に変数(セル)を利用する場合は、countif(データ範囲,”>=”&H5)のように、条件を” “で囲み、&でセル番地を結合します。条件をセルを指定せずに数字を使う場合は、countif(データ範囲,”<=160")と記述します。
指定範囲のテキストが入力されたセルの数は countif(範囲,"*")もしくはcounta(範囲)で得られます。
さらに空白のセルの数はcountblankという関数で数えることができます。
countifs
複数の条件に合ったデータの数 ; countifs(データ範囲1, 条件1, データ範囲2, 条件2) → countif(a1:a15, “果物”, b1:b15, “みかん”) (A列に果物となっていて、B列がみかんであるデータの数を出力する)
sumif
指定範囲内に指定条件に一致する項目があれば、その後の範囲にある数字を合計に加える; sumif(条件指定範囲, 条件, 合計数値の指定範囲)
FREQUENCY:度数分布表(ヒストグラム)
下の図を参考に、値データと区間データ(0-10なら’10′を入力)を用意し、その右に頻度を入力する欄を用意します(下の図を参照)。基本はfx(関数ウイザード)を利用しても、直接関数を入力しても同じ操作で分布表が作成できます。
①頻度を入力する欄(区間より一つ多く)をマウスで反転させます。
②関数ウイザードを起動しfrequencyを選択 (or “=frequencey(“を入力)
③データ範囲を選択します (,を入力)
④区間データを選択します
⑤”shift”+”control”+”return”
(*osx 10.11ごろまでは”shift”+”commad”+”retrune”だった) (2018.09.28)
自動的に区間データの右に頻度が入力されます。
区間に“〜”を入力するには区間のデータを選択し、形式からセルを選び、ユーザー設定で”〜”を加える。
分布(ヒストグラム)の作成
分布のグラフ(ヒストグラム)はの表から棒グラフを作ります。横軸(項目軸)は後から追加します。
① 度数をマウスで(塗って)選択する。
② 棒グラフを挿入
③ グラフデザイン/クイックレイアウトの選択から棒のくっついたグラフを選択
④ グラフデザイン/グラフデータの選択をクリック
⑤ 横軸ラベルの入力項目をクリック
⑥ 区間を選択し”OK”をクリック
⑦ タイトルや縦軸、横軸を入力
LibreOfficeでは以下のような手順で作成します。
①区間データの右の頻度セルをクリックし’=frequency(“と入力
②値データを選択して”Shift+fn+F4″を押す
③”,”を入力
④区間データをクリックする
⑤頻度セルを区間データ分コピーする
この操作で頻度の積分値が得られます。従ってさらに差を計算する事で頻度が得られます。
“shift+fn+F4″を利用しなくてもデータのセル番地の各前に$を付与してもよいです($A$1:$A$15など)。
分布グラフ(ヒストグラム)の作成
3. 便利な機能
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表計算ソフトの便利な機能としては、セルのコピー、データの並べ替え、数値の自動四捨五入、大きい数値や小さい数値の指数表示、数値のカンマ区切り(金額などに利用)などがあります。また表計算は主にCSV形式で書き出し、他のソフトにデータを移すことが可能です。
数値や式は文章作成ソフトと同様にコピーとペーストが可能です。コピー元となるセル(A3)をクリックし、command+cでコピーし、コピー先のセル(B3)をクリックしてcommand+pでペーストすると数値あるいは式(例:=A1*A2)が移動します。コピーやペーストはマウスの左クリックかメニューの編集からも選択できます。式の中で指示しているセルは相対位置となり、式中のセルの番地は移動先では変わります(=B1*B2)ので注意が必要です。式で計算された値をコピーする場合は、セルをクリックしておき、式をマウスカーソルで塗ってコピーします。この場合、式中のセル番地は変わりません(=A1*A2)。
3-1. セルのコピーとペースト
表計算ソフトの便利な機能はセルをコピー(command+C)とペースト(command+V)できることです。値だけでなく関数や式もコピーできます。計算式をコピーする場合は、セルをクリックし、数式を表示させておいてからこれをマウスポインターで塗ってからcmmand+Cでコピーし、次にペーストするセルをクリックし、command+Vでペーストします。これらの関数や式をペーストはcommand+Vで繰り返し行うことができます。セルのコピー&ペーストの基本は図の通りです。
3-2. 行・列の挿入や削除
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列や行の揷入、列や行の削除の方法を説明します。方法はトップメニューの挿入を利用す方法(方法1)とマウスの右クリックのプルダウンメニューメニューで揷入を利用する方法があります。
列の挿入 方法1
行の挿入 方法1
挿入の方法2 (右クリックのメニューの利用)
列の挿入 方法2
3-3. データの並べ替え
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例では男女を並べ替えのキーに指示し、結果が右のようになります。
並べ替えは範囲を指示して(マウスポインターで囲んで)メニュー/データ/並べ替えと行います。
3-4. 書式の変更
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セルの数字の後に”円”をつける
入力した値に”円”などの単位を表示させたい場合は、”フォーマット”→”セル”→”表示形式”→”ユーザー定義”を利用します。
その後、”G/標準”の後に”円”を追記します。
表示は変更されていますが、セルの値は保持されているため合計などの計算が可能です。
四捨五入と日付
四捨五入は数字を”丸める”と表現します。小数点以下の数字が長くでるような時に利用します。表計算ソフトにはいくつかの方法がありますが、セルの書式設定を行うことで設定できます。セルの書式には入力データにより自動的に選択されるものもあります。例えば”5/1″と入力するとデータは日付に変更され、”5月1日”と入力されることがあります。
libreofficeの書式設定例
小数点以下の数字の丸め
3桁ずつのカンマ表示
カンマ区切りの表示には上のセルの書式設定を利用します。セルの書式設定には表示形式の変更が可能です。
3-5. 表データの出力(書き出し)
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表データを他のソフトに移す時にはデータを標準的な形式(データフォーマット)で書き出すことが必要です。標準フォーマットとしてはテキスト形式あるいはCSV形式がよく用いられます。LibreOfficeではメニューの”ファイル→保存”の操作で形式をCSVを選択します。CSV形式はMicrosoft excelで開くことができます。excelで扱う他の形式としてMicrosfoftexcel(.xls)があります。
3-6. 画像の挿入
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欲しい画像を簡単に作るには「command」+ 「shift」+ 4で画面に表示されている画像をキャプチャ(写真に取る)ことができます。ファイル名は「スクリーンショット(2014-04-28 15.57.54)」となります。ファイル名を変更して利用します。
ファイル名を変更したファイルをわかりやすいファイルホルダ(ディレクトリ)に移動します。
メニューの挿入→画像→ファイルからの画像 をクリックし、保存したファイルを指定します。
3-7 シートの移動とコピー
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シートを同じシートに、あるいは別にシートに移動もしくはコピーする場合、以下のステップでシートを移動もしくはコピーできます。
1) 移動するシートを選択し、表示させる
2) トップメニューの編集をクリック
3) プルダウンメニューのシートを選択
4) 右の移動またはコピーをクリック
5) 移動またはコピーするシートを選択する
6) 移動またはコピーするシートの位置を選択
7) 移動したシートが加えられているのを確認する
—図説
1) 移動するシートを選択し、表示させる
2) トップメニューの編集をクリック
3) プルダウンメニューのシートを選択
4) 右の移動またはコピーをクリック
3-8 シートの部分印刷(印刷領域指定)
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シートの一部を印刷する場合にはいかの手順で行います(excel2016の場合)。
① 印刷したい領域をマウスで囲む
② メニューのファイルを選択
③ 印刷設定からプリント範囲の設定を選択
④ ファイルからプリント(コマンド+P: ⌘P)をクリック
⑤ 印刷の詳細を表示させ、拡大縮小印刷にチェックを入れる。(選択範囲を1ページに印刷させたい時に操作)