スマホで表計算-Google Spreadsheetで表計算-
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1.表計算ソフトについて
表計算ソフトについては、表計算ソフトのいろはにその魅力をまとめてありますのでまずはそちらをみてください。
ここではスマホで表計算ソフトを利用するときのポイントを解説します。PCでマウスを用いて行うセルのクリックや四隅の点を掴んで広げる自動処理の操作などはスマホやタブレットではできません。そのため、表計算アプリを出しているApple、Google、Microsoft社はそれぞれに苦労しています。また、PCではExcelが一番早く作られ標準ソフトでしたが、スマホやタブレット版はクラウドアプリで進んでいたGoogleも含めてほぼ同時期に作られました。このため、ちょっとした使い方やメニューが違います。Numbersの日付入力コマンド、Excelの並べ替えコマンド、Spreadsheetのメタキャラクタ入力バーなど少しづついいところがあります。ここでは多くの大学で標準的に利用されているG-Suiteにあるspreadsheetを利用して説明していきます。
2. spreadsheetの入力画面
簡単な方法として、アプリを起動しドライブ内に新規書類を作ります。
①アプリを起動
②右下の+マークをタップ
③新しいスプレッドシートを選択してタップ
④新しいスプレッドシートが表示されます。
ドライブのフォルダ内に新規シートを作成する
ドライブのファイルを整理するために、作成したフォルダの中にspreadsheetをspreadsheetを作成するには、フォルダの中で+をタップして新規spreadsieetをタップします。
①目的のドライブのフォルダを開き+をタップ
②spreadsheetをタップ
③ファイル名を入力するとシートが開く(spreadsheetアプリに移動)
④ドライブでフォルダを開き、下にスワイプしてリロードすると③で入力したファイルが確認できる
3. 入力画面の説明
図左にセルの選択モードの機能とコマンドを、左に文字と数字の入力モードの切り替えコマンドを示します。
新規シートを作成したらコマンドをタップして確認してみましょう。
左上のチェックはシート操作の終了です。入力モードに入り、セルに何か数字を入れてみましょう。
4. 数字の入力と自動入力
セルに数字を入れ、自動入力を試してみましょう。
①A1のセルをタップし中央のfxの右枠をタップして入力モードに切り替えます
②左下の”123”をタップして数字入力モードに切り替えます
③A1のセルに”1″と入力します
④リターンをタップしてA2に移ります
⑤A2のセルに”2″を入力します
⑥中央の右のチェックをタップして選択モードに移動します
⑦A1からA17を選択します
⑧タップして自動入力をタップします(黒メニューに自動入力が表示されていない場合は、右端をタップしてメニュー表示をずらします)
⑨A1からA17に1から17の数字が入力されるのを確認します
5. 式の入力と式のコピー
さて、次に式を入力してみましょう。4で作ったシートのB1にA1の二乗を計算します。さらにその式をB17までコピーして表を完成させてください。
①B1のセルをタップ
②中央のfxの右の入力枠をタップ
③メタキャラクタバーで”=”をタップ
④文字入力でaをタップ
⑤右の123をタップして数字入力へ
⑥1をタップ
⑦A1の緑枠を確認
⑧メタキャラクタバーを左にスワイプして”^”をタップ
⑨2をタップ (ここまででB1のセルに”=A1^2″と入力されます)
⓾入力モードを終了
⑪B1が”1″を確認
⑫B1のセルをタップして黒メニューでコピーをタップ
⑬B1からB17までを指定してタップ
⑭黒メニューで貼り付けをタップ
⑮B1からB17に1から17までの二乗が計算されていることを確認
6. セルの式の続き-平方根の計算-
練習でC1のセルに平方根を計算してみましょう。
⑯C1に”=B1^0.5″と入力 (①〜⑩を行います)
⑰C1のセルの式をコピーしてペースト (⑫〜⑭を行います)
7. セルの表記を小数点以下2桁に-書式設定-
同様にしてDの列にCの列の平方根を計算します。平方根を計算すると少数点以下に数字が長く続きます。見易くするため書式設定で小数点以下2桁までの表記にしましょう。
①Dの列をタップ
②書式マークをタップ
③セルをタップ
④下に現れたメニューを上にスワイプ
⑤下印をタップ
⑥数字を2に設定
⑦小数点以下2桁を確認
⑧表をタップして書式モードを終了
8. 列の幅を狭くして新し列を挿入する
列Aの幅を狭くし、列Aの左に列を追加してみましょう。
①Aをタップし、AとBの境界をタップして左にスワイプして列Aの幅をせまくする
②A列が狭くなったのを確認
それでは次はA列の左に新しい列を追加します。方法は2つあります。
方法1
①A列をタップ
②下の左に+のマークをタップ
方法2
①A列をタップ
②右上の+をタップし、左に+のマークをタップ
③A列に空列を確認
9. 平均値と標準偏差の追加と式のコピー
表計算ソフトによく利用される平均値と標準偏差(平均値の周りのデータのばらつきを示す値)を計算する関数を使ってみましょう。
データは新規作成したシートに、以下のABCの3クラスの合計24人の身長(cm)の表をコピーし、値のみペーストしてください。上手くコピーができない場合は、同じように手入力してください
さらにA11に平均値、A12に標準偏差を入力してください。
A・B・Cクラスの身長の比較 | |||
番号 | Aクラス | Bクラス | Cクラス |
1番 | 165 | 177 | 177 |
2番 | 172 | 159 | 168 |
3番 | 188 | 182 | 183 |
4番 | 185 | 177 | 176 |
5番 | 174 | 195 | 172 |
6番 | 170 | 181 | 168 |
7番 | 162 | 179 | 175 |
8番 | 168 | 173 | 182 |
①セル選択モードでB11セルをクリック
②fxをタップして関数の入力モードに移行
③関数の一覧を下にスワイプ
④統計をタップ
⑤AVERAGEをタップ
⑥fxの覧に「=AVERAGE」の入力を確認
⑦B3〜B10をタップしてfx覧が「=AVERAGE(B1:B10)」を確認
⑧B12にB11と同様に標準偏差関数を入力し、同じセル範囲を入力
⑨B12に標準偏差が計算される
⑩B11とB12をスワイプで指定し、黒メニューのコピーをタップ
⑪C12からD12を指定して、黒メニューの貼り付けをタップ
⑫C11からD12までにBクラスとCクラスの身長の平均値と標準偏差の計算結果を確認
10. 棒グラフの作成
表計算ソフトの醍醐味の一つに容易なグラフ作成機能があります。ここでは一番簡単な棒グラフを作成してみましょう。
spreadsheetでは棒グラフは項目軸の説明を記述するためには、数値の上に項目説明が必要です。このために平均値の上に行を追加誌、そこにAクラスからCクラスをコピーしておきます。ここでは式を使った項目のコピーを行います。コピーとペーストでも結構です。
①平均値と標準偏差の計算結果を確認
②11行の最初をタップ
③右下の上に行の追加ボタンをタップ
④新しく作られた行B11に「=B2」と入力→B11にAクラスと表示される
⑤右端✓をタップして入力モードを終了
⑥B11を轍鮒してコピーをタップ
⑦C11とD11を選択し貼り付け→これで「Bクラス」「Cクラス」が平均値の上に表示される
⑧A11からD12を選択し、右上の+をタップ
⑨挿入からグラフをタップ
⑩棒グラフを選択
※ 棒グラフには標準偏差を誤差線(エラーバー)として追加して、平均値の周りにデータがどのようにばらつくかを表します。Excelでは誤差線を追加して、値として標準偏差のリスト範囲を選択すると誤算線になりますが、spreadsheetではこの指定ができません。グラフの一本一本に標準偏差の値を一定の誤差として値を入力する必要があります。
googleのヘルプページ:誤差範囲の追加
11. IFS関数を利用した記録のクラス分け
表計算にはIF関数というのがあります。英語のIFはもしも〜ならですね。関数ももし値>=0.5なら1で値<0.5なら0という具合に条件を設定し、その条件にあっているなら〜。違っているなら〜。といったように処理をすることができます。IF関数にはIFSという複数の条件を分ける関数があります。今回は記録データからABCに分ける作業をしてみましょう。
少し長いですが、以下の表をコピーして、新しいシートへ値のみペーストで貼り付けて下さい。
C1とD1の欄の数値は、AとBの境界値とBとCの境界値を示します。の境界値より下の記録はそれぞれAとBになります。IFSのなかで利用される$は絶対参照を示すマークです。C$1としておくと、この式をコピーしたときに常にC1の値を参照します。
表が完成したら、境界値の値を少し変えてAからCの人数が変わることを確認してください。
分岐点条件 | ||||
記録 | A組 | B組 | C組 | |
1 | 17.3 | |||
2 | 19.4 | |||
3 | 16.1 | |||
4 | 22.1 | |||
5 | 18.5 | |||
6 | 16.2 | |||
7 | 20.5 | |||
8 | 19.4 | |||
9 | 16.1 | |||
10 | 17.3 | |||
11 | 18,2 | |||
12 | 18.4 | |||
31 | 15.9 | |||
14 | 19.8 | |||
15 | 17.8 |
①C3に以下の式を入力
=IFS(B3<C$1,”A”, B3<D$1,”B”,B3>=D$1, ”C”)
②C3をタップしコピー
③C3からC17を選択
④貼り付け
これで1から15番の人をクラス分けすることができます。
式をコピーしたときにC$1がどのようになっているかを下の左の図で解説しています。コピーされたC6では、B列はB6をC1を条件にしているのがわかります。
関数IFSの中は次の様になります。
(1) B3<C$1なら”A”を表示 (C$1未満)
(2) (1)の条件に当てはまらない場合で、B3<D$1なら”B”を表示 (C$1以上D$1未満)
(3) (1)と(2)に当てはまらない場合で、B3>=D$1なら”C”を表示 (D$1以上)
12. COUNTIF関数を用いてクラスの人数を数える
それでは次はCOUNTIF関数を利用してそれぞれのグループの人数を数えましょう。単純に値のあるセルの数はCOUNT関数で数えることができますが、それぞれが何回指定したセルの中にあるのかを数えるのは条件付きカウントになります。
A19に”A”、A20に”B”、A21に”C”と入力します。A19の文字と同じ文字が指定範囲(C3からC17)に何回出てくるかを数えます。
B19のセルには「=COUNTIF(C$3:C$17,A19)」となります。B19をB20,B21にコピーして完成です。
ここでも絶対参照の$を用いてB20, B21に式をコピーしても緑の指定範囲は固定しています。
13. 並べ換え
並べ換えはexcelでは非常に簡単でした。なぜかspreadsheetではコマンドがなく、関数でのみ対応になります。まだコマンドが完成していないのかもしれません。(iOS excelではコマンドがある)
B列の記録で並べ換えをすると最小や最大の記録がいくつかなどがわかります。
SORT関数の中は以下のようになっています。
SORT(A3:B17, 2, TRUE)。A3からB17までの範囲を2列目(B列)の数字で小さい方から(TRUE)で順に並べる。このとき、A列とB列を選択しているので、記録と番号が次いで並べ替えられ、どの番号の記録が一番小さいかがわかります。
14. ヒストグラムの作成
ヒストグラムは分布図とも呼ばれています。どのような記録が多いのかなど記録データの全体像を把握し易くなります。本来は、このヒストグラムを見て、ABCの区分基準値を決めていきます。
まず、データの最大と最小をみてそれよりも大きい値を区分値の最終値とします。このデータでは22.1が最大ですので24が最終区分にします。23から24の区分に入る人数はゼロ人となります。同様に最小値は15.9ですので15以下の区分もゼロ人になります。
今回は区分を15から24まで1区切りで区分を書きます。FREQUENCY関数を指定するセルはJ3だけです。あとは自動的に数字が入ります。このJ列にできた数字は度数分布になります。J3は15以下の人数、J4は 15以上16未満の人数などとなります。
関数はFREQUENCYを利用します。関数内には、データ範囲(G3:G17)、区間範囲(I3:I10)が入ります。
*注意: これらの指定はExcelやNumbersは異なりますので注意を要します。