スマホで利用するインターネットの仕組み-パケットはどのように届くのか-



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スマートフォン(スマホ)を利用して情報をやりとりする時、情報はどのようにやりとりされているのでしょうか?ここではLTEとWiFiについて説明します。
また、今後遠隔講義などでインターネットによる情報のやり取りが多くなることを考えると、光回線やケーブルテレビを利用したインターネット契約時も参考になると思います。

  • 1. スマホのアンテナ;LTEとWiFiのマーク
  • 2. LTEによるインターネット利用
  • 3. WiFiルータによるインターネット利用
  • 4. モバイルルータによるインターネット利用
  • 5. WiFiのSSID
  • 6. WiFiルータの設定の注意点
  • 7. テザリングによるインターネットの利用
  • 1. スマホのアンテナにあるLTEとWiFiのマーク

    スマホの左上には図のような電波のマークがあります。LTEは4Gと呼ばれる少し遠くのアンテナと電波を使って情報をやり取りします。一方 WiFiは比較的近く(屋内)にあるアンテナと電波を使って情報をやり取りします。
    スマホの通信のマーク

    2. LTEによるインターネット利用

    LTEはLong Term Evolutionの略で第3世代の通信規格(3G :3 generation)を拡張し、4Gへの橋渡しで作られて規格です。実質的にLTEは4Gと同じ速度を持っています。すでに5Gに移りつつあります。LTEはsim(Subscriber Identity Module)カードと呼ばれる小さなカードを利用します。このsimカードには、発行した会社の通信を利用するための情報が入っています。この会社をキャリアと呼びます。Docomo・au・softbankは日本で3大キャリアと呼ばれています。simをスマホに入れるとその会社の通信網(ネットワーク)を利用することができます。通信会社はスマホと電波やり取りするアンテナ(基地局)を電信柱の上などに設置しています。この基地局から光回線などを通じて通信会社のネットワーク機器を通じてインターネットに接続しています。基地局から離れたところでは電波が小さくなり通信が遅くなります。simの契約は非常に複雑ですが、最近では3大キャリア以外にも多くの会社があります。これらの会社は3大キャリアの設備を間借りして利用しているところが多く、価格と評判を調べて利用することが必要です。
    LTEを利用したインターネット接続

    3. WiFiルータによるインターネット利用

    WiFiは屋内などに設置されたWiFiルータと呼ばれる装置と電波を通じて情報をやり取りします。WiFiルータはLAN線を通じてインターネットに接続しています。
    家庭でインターネットを利用する場合、NTTなどの回線業者と、OCNなどプロバイダーと呼ばれるインターネットサービスを提供する会社と契約します。eo光やJCOMなど一部の業者は両方を兼ね備えているところもあります。回線業者は業者のもつ回線(光ケーブル)から分岐して屋内に線を引き込み、モデムと呼ばれる信号をLAN線に変換する装置を設置します。このモデムとLAN線でWiFiルータを接続します。WiFiルータとスマホ間は電波で繋がりインターネットの利用が可能になります。この通信ではLTEを利用しません。一般にLAN回線の利用料金は定額で契約され速度も速いため、スマホはWiFiを優先的に利用するようになっています。
    WiFiルータで行うスマホのインターネット利用

    4. モバイルルータによるインターネット利用

    モバイルルータによるインターネット利用の形もあります。
    先ほどの通信業者が販売するsimを利用してWiFiを提供するものです。図のようにモバイルルータとスマホ間はWiFiの電場で繋がり、モバイルルータはLTEでインターネットに繋がっています。
    モバイルルータで行うスマホのインターネット接続

    5. WiFiのSSID

    ルータにはSSIDというWiFiの名前が付いています。WiFiで接続するためにはこのSSIDとセットになっているパスワード(暗号化キー)が必要です。SSIDを変更していない家庭用のルータでは通常ルータの裏側などにSSIDとキーが印刷されたシールが張ってあります。
    図はNECのルータのシールの例です。
    SSIDと暗号化キーの印刷されたシールの例

    iPhoneでは設定→WiFiと進みます。
    すでに暗号化キーが入力されていればIPアドレスに数字が表示されています。
    新しいSSIDのWiFiに接続する場合は、SSIDをタップするとパスワードの入力待ちになるので、この暗号化キーを入力します。
    iOSのWiFi設定と、設定後のIPアドレスの表示

    6. WiFiルータの設定の注意点

    多くの家庭用のWiFiルータはwebブラウザから設定を変更できるようになっています。ルータには固有のIPアドレスが設定されています。このIPアドレスをwebブラウザのURLに入力すると、管理画面へのログイン画面が表示されます。必ずお使いのWiFiルータの説明書で確認してください。図はNECのログインが面の例です。ユーザー名adminとパスワードを入力します。説明書にも記述がありますが、ログイン後にパスワードを変更することをお薦めします。
    また、管理機能を利用して家族の持っているディバイスだけを接続するMACアドレスフィルタリングなどの技術も利用して安全な利用をすることもできます。
    smarphone_network07_router_setting_login

    7. WiFiルータの設定の注意点

     スマートフォンにはテザリングという機能を持つ機種があります。これはスマートフォンをWiFiルータとして利用する方法です。ちょっとインターネットを利用したい場合などに便利です。例えばnote PCをiPhoneに接続して、iPhoneを通してインターネットに接続することができます。この技術をテザリングと呼んでいます。simの契約によってテザリングに特別な有料のオプション契約が必要なことがあります。契約業者に問い合わせて確認してください。
     テザリングはWiFiやBluetoothとケーブル経由があります。iPhoneの場合、PCにケーブルで接続すると充電ができるメリットがある一方で、ノートPCの電池消耗も生じます。電源がある環境やPCのバッテリーが十分なときにお薦めです。ここではiPhoneのモバイルデータ通信はONになっているか、iPhoneでWiFiが利用できる環境にあるとします。(都会には田舎にないリッチなフリーWiFiが利用できる)
     PCでインターネット共有をするとスマートフォンより早くパケットを利用するので注意してください。
     iPhoneでUSB接続の場合:
    ①設定を開く
    ②インターネット共有をONにする
    ③他の人の接続を許可をONにする
    ③USB-LightingケーブルでiPhoneとMacbookなどを接続する。
    ④Macbookなどの環境設定/ネットワークでUSB接続の左に緑のマークを確認する。

     iPhoneでWifi接続の場合:
    ①設定を開く
    ②インターネット共有をONにする
    ③他の人の接続を許可をONにしWiFiのパスワードを設定するあるいは確認する
    ④MacBookなどで上メニューのWiFiのインターネット共有の欄にあるiPhoneを選択する(初回は③のパスワードを入力する)

    WindowsではBluetoothとケーブルで接続できます。iTuneのインストールが必要です。Bluetoothの場合ペアリング後に必要なソフトがインストールされます。

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  • (2020.07.09 変更)