表計算ソフトはこんなに便利   戻る

表計算は最近ではスマートフォンのアプリもあり、日常的に利用できるものです。ぜひ覚えておきましょう。
1) IF関数(条件による)
2) かけ算(*)と割り算(/)その応用(2乗・平方根や立方根)
3) 指数の計算(^)とその応用(2乗・平方根や立方根)
4) 方程式の解を求める
5) 式を分解して計算する
6) SPI非言語テストで扱われる初等数学の計算

1) IF関数による場合分け
IF関数は条件によって場合分けを行うために利用され、論理関数の代表的な関数です。
・2つの場合
IF(条件,真の場合,偽の場合)といった具合です。
条件: B12>=60 (20以上) (B12はセル番地)
真の場合:”合格”
偽の場合:”不合格”

* 真は”True”で偽は”False”となる。IF(条件,真の場合)で条件に合わないと”FALSE”と表示されます。
* 論理式とは真の場合は、”真の場合”の計算(コマンド:命令)を実行します。上の例では「”合格”を表示する」がコマンドです。

・複数条件の場合分け
IF(条件1,真,If(条件2,真,偽))
例えば0-10を”7以上が大/4以上7未満が中/4未満を小”に分ける場合は次のようになります。
IF(B9<4,"小", IF(B9<7,"中,"大")

2) かけ算とその応用数

表計算ソフトはいろいろな計算をすることができ、その履歴を残し、途中の数字をかえて再計算ができます。
たとえば13,520円の商品を買う場合、消費税が5%と8%と10%なら価格はいくらかを計算します。
(サンプルデータsheet_example)
計算式は13520x 1.05, x 1.08, x 1.10となります。
表計算では以下のようになります。
手順としては1) B4に”=”を入力し、セルB2をクリックし、”*”を入力、セルB3をクリックし、リターンキーを押します。これでB4に消費税込みの価格が計算されます。B4のセルをコピーし、C4, D4とペーストすれば出来上がりです。
消費税の計算

消費税の計算2

消費税の計算3

さて、今度は消費税5%込みの値段が14,175円のとき、8%の消費税込み価格を計算します。計算としては14175/1.05*1.08で計算されます(1.05で割ると消費税抜きの価格がでます)もし消費税を別枠にするとその下に示すような式で計算できます。

消費税の計算4

消費税込みの計算

 
さてこの式を利用すると5%消費税込みの価格が分かっている商品の価格リストから8%消費税じの価格リストを計算することができます。ここで利用するのは 消費税8のセルを毎回利用するためにセルの縦番地の7の前に”$”マークをつけておきます。その上でこの式をしたまでコピーすると計算できます。さらに消費税を10%にしたときにどうなるか一度やってみましょう。8→10とかえてみると自動的に消費税10%込みの価格が計算できますね。(とっても便利でしょう! )

消費税計算6

3) 指数の計算とその応用指数

指数は一般に数式ではabと表されます。表計算ソフトではa^bとして表します。指数の最も簡単な例としては面積(2乗)や体積(3乗)があります。正方形の面積は一辺を2回掛けることで求められます。一辺の長さがaとすると面積はa×a=a2で求められ、一辺aの直方体の体積はa×a×a=a3となります。つまり、正方形の一辺はの長さが4cmであればその面積は4cmの2乗で計算され16cm2となります。立方体の体積も同様です。
正方形の面積と立方体の体積

 
 指数の応用例としては預金の複利計算などがあります。例えば金利が年1%あると(最近ではもっと低いですが)1年後に1.01倍になります。さらに2年後にはさらに1.01倍です。つまり10年後には1.01の10乗=1.0110=1.105倍となります。

このよううに指数関数でbが1より大きいときはどんどん大きくなるので下の図のように変化します。
増加する指数関数

 
また、bが1より小さい場合はどうでしょう。
1より小さい指数の増加グラフ

 
bが0.5もしくは(1/2)のときに求められる値を平方根(二乗根)(√)と呼びます。また、bが(1/3)のとき立方根(三乗根)を表わします。つまり、せいほ平方根は2乗、立方根は3乗するとその値になります。16(=42)の平方根は4で、64(=43)の立方根も4です。つまり、表計算の式では、=16^(1/2) で平方根が、=8^(1/3) で立方根が計算されます。さらに、64の平方根の立方根は、=64^(1/2)^(1/3)で計算できます。
* 平方根は正方形の面積が分かっているときに一辺の長さを求めることができます。立方根は立方体の体積が分かっていて一辺の長さが分かります。

 自然界にはよく指数的に変化することがあります。例えば放射性物質の半減期があります。これは放射線が半分になる時間(t)です。さらに半減期(t)の時間が経過するとさらに半分になります。つまり半減期の5倍の時間が経つと放射性物質は0.52=0.03となります。また、コンデンサと抵抗でできた閉じた回路を考えます。コンデンサが放電すると最初は大きな電流がながれますが、放電するにしたがい電圧が低下し、電流が小さくなります。だんだんとゆっくり減少するようになります。電流は指数関数的に小さくなることが分かっていて、抵抗Rとコンデンサの静電容量をCとするとe-t/(RC)に比例して小さくなることがわかっています。このeのことをネイピア数とよび自然対数の底として用いられる数です。

 一方、指数の反対が対数になります。対数関数をlogで表示します。たとえばc=10bであれば、b=log10cとなります。とても大きく変化する数字を表すのに非常に適しています。たとえば酸性、塩基性などを表すpHは水素イオン濃度を[H+]とすると-log10[H+]で表されます(ただし酸性などからずれている場合:wikipedia参照)。

3) 方程式の解を求める:

 webで行われる就職試験のSPIや公務員試験には、非言語問題あるいは数的問題と呼ばれる問題、つまり文章の計算問題が含まれます。考え方がわかればあとは電卓で計算してもよいのですが、表計算ソフトを利用すると計算過程も確認できるという利点もあります。簡単な四則演算(足し、引く、かける、割る)だけで答えを導けるものもあります。解き方がわからない場合は、求める数をXとおいて方程式を解くこともできます。

 濃度計算を例に説明します。
「海水は約3.5%の塩濃度です。塩濃度3.5%の水溶液を5kg作るには何グラムの水が必要でしょう。」

解法1. 塩濃度は重量%で表します。従って、海水5kgの中に3.5%の塩が溶けているので、溶液の重量(塩+水)が5kg=5000gなので、次の濃度の公式を用いて塩の重量を計算すると次のようになります。
濃度の計算式: 塩 (g) /{塩 x (g) + 水 (g) }=3.5 x 0.01
塩(g)=0.035*5000=175g
従って水は(5000-175)g=4825gと計算されます。

解法2. このような公式を利用する代わりに、塩の量(重さ)をxとして割合の定義に戻って考えて見ましょう。3.5%とい割合は小数点では0.035です。式は次のようになります。
 3.5%=0.035=割合=塩÷(食塩水)=x÷5000(g)
 → 0.035=x÷5000 → x=0.035*5000=175(g)
従って、水の量は次のようになります。
5000-175=4825(g)
 
解法3. 次に、求める水をxとして塩をyとした場合の式は次のようになります。
 x+y = 5000   ・・・①
0.035 = y/5000 ・・・②

①からy=5000-xを導き②に代入すると以下の式になります。
 0.035 = (5000-x)/5000 ・・・③
→0.035*5000 = 5000-x → x = (1-0.035)*5000 =0.965*5000=4825

解法4. 式③を表計算を用いて力技でこれを解いてみましょう。表では水の量を10gステップおよび0.5gステップに変化させた場合の濃度と目標濃度との差を計算させています。ステップ変化はステップ値を上の値に加算していくようにしています。最初に10ステップで当たりを付けて、水の重量の初期値とステップを変えて再計算させることで計算精度を上げます。
黄色の帯のところが一番目標値に近いことが分かります。
 この方法はexcelで計算できればどのような関数(n次関数や三角関数、指数関数など)にも利用できる方法です。
spreadsheet_oneOrder

その他文章問題の解法

1) 割合の問題:「ある学校の昨年の生徒数は320人で、今年は5%少なかった。今年の生徒数は何人ですか?」
→ 5%少ないので、100%-5%=95%となる。昨年を1とすると今年の人数の割合は0.95となる。
→ 320(人)x0.95=304(人)

同じように今年がわかっていて昨年の人数を問う次のような問題を考えて見ましょう。
「ある学校の今年の人数は304人で、昨年より今年は5%少なかった。昨年の生徒数は何人ですか?」

ここで、昨年の人数をxをとすると、割合の0.95を用いた式は以下のようになります。
→ 0.95x=304
→ x=304/0.95=320(人)
このようにして今年の人数をもとめることが可能となります。

2) 速度の問題:「時速4kmで2時間あるくと何km進むか?」
 早さが4km/hで2hというと、”4km/h x 2h = 8km” となります。
 「5km/hで12km進むには何時間かかりますか?」
 これは、時間をxとおいて次の式になります。
→ 5x=12
→ x=12/5=2.4 (h)

3) 消費税の問題:「消費税8%の時の売値が3240円の商品は消費税が10%ではいくらになるか?」
 この問題は消費税抜きの価格をxとすると消費税10%の価格は1.1xと計算されます。
→ 1.08x=3240 → x=3240/1.08=3000, → 3000*1.1=3300(円)

5) 式を分解して計算する:表計算らしい使い方

表計算は多項式を分解して計算することができます。

例えば、(a+b)÷c+d×eという式があるとします。これは以下の計算要素でできています。
a+b
(a+b)÷c
d×e
そこで以下のように分割して計算します。
また、2乗の項を含んだ計算例もあわせて示します。このように多項式を分割して複数のセルを使って計算すると計算途中の入力ミスなどをチェックでき、計算式のコピー機能を利用して計算を簡単にすることができます。

多項式の計算例

式のコピーは式を含むセルをコピーして、別の場所にペーストすると式をコピーすることができます。ダブルクリックしてクリックして式が移動しているかを確認します。

コピーされた式のチェック方法

6) その他関数

a) VLOOKUP 関数:データの変換ができるます。

その行の値から別列の値を出力します。

利用方:VLOOKUP(検索する値, データ範囲行列, インデックス, 並べ替え順序) *データ範囲行列はインデックス(表示する列)を含みます。

*並べ替え順序はオプションで、初期値はTrueで、値の場合は検索する値以下の最大値に相当する結果を表示されます。Falseもしくは”0″を指定すると、一致データがない場合は#N/Aと表示されます。

6) SPI非言語テストで扱われる初等数学の計算

SPIテストでは小学校で習う算数のテストが出題されます。これらのテストの簡単な解放について表計算ソフトを用いて解説していきます。
1) 割合の問題(百分率):割合の問題は濃度計算や消費税、グラフの作成など日常的に利用される場面が多くあります。料理での材料と調味料の分量なども割合の問題です。
割合の問題の考え方の基本
SPIの問題の回答と解説

1-a) 百分率(%) : =(比較する量)/(全体の量)
1-b) 消費税の計算:=(元の価格)x(消費税率+100)/100
1-c) 利益率:=(利益)/(売値)
1-d) 食塩水の塩濃度:基本は塩濃度=(食塩)/(食塩水)です。一般的に重量(g)で計算します。
塩濃度の問題としては、水を加えて薄めて塩濃度を調整したり、異なる濃度の食塩水を足して濃度を調整したりします。前者は、塩を入れすぎたので水で薄めるなど料理でよく出くわす状況ですね。
1-e) 料金の割引:(割引後の価格)=(定価)*(1-割引率)
1-f) 分割払い: (分割支払額)=(定価)/(分割回数)

2) 整数の問題:整数の問題は簡単なようです。表計算ソフトで行うと簡単ですが、算数で行うには少し手こずる問題があります。年齢算などもその問題の一つです。
2-a) 年齢算:人は一つづつ年をとります。このこことを利用し、変化する親子の年齢の割合を求めます。
基本:(A+年)/(B+年)
2-b) 鶴亀算:足の本数は鶴は2本、亀は4本です。これを前提に鶴の個体数と亀の個体数とあわせて考えます。(2元方程式)
2-b) 数列:並んでいる整数の規則を見つける問題です。
2-c) N進法:通常利用している10進法(0-9の数字でそれ以上は位があがる)やコンピュータで利用される2進法(0から1)などがあります。

3) 図を書いて考えるとよい問題
3-a) 旅人算:(距離)=(速度)*(時間);歩く早さと道のりが絡み合った問題
3-b) 仕事算:(かかる時間) = (仕事の速さ)/(人数)
3-c) 流水算:(上りにかかる時間) = (距離)/(船の速さ-川の流れの早さ)
3-d) 通過算:(トンネル通過にかかる時間) = (トンネル長+列車長)/(列車の早さ)
3-e) 不等式:(所持金)>(商品単価)x(個数)

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