2015年に始動した「スポーツ振興プロジェクト」のビジョンに基づいた学内連携及び組織としてアスリートサポートセンター(ASC)を設立し9年が経過しました。ASCは、学内の附属病院、リハビリテーションセンター、附属鍼灸センター、Jルーム(柔道整復診療所)などの専門医療機関と強化指定クラブを中心とした学生たちを指導・育成するコーティングスタッフ、トレーナーとが連携、競技力向上をトータルでサポートするトップアスリート育成組織として開設。「コンディショニング・予防・治療・リハビリテーション・復帰」のすべての過程を学内で一貫して行うことができる国内の大学でも数少ない特徴的な取り組みとなります。
また、2019年度よりスタートした本学認定資格である『メディカルアスレチックトレーナー』育成プログラム(MAT)の運用に伴い、ASCと協同してより高度な医療知識と実践力を兼ね備えた新しい次世代型トレーナーの育成に取り組んでいます。
スポーツメディカリスト(※1)の育成にあたり必要不可欠なのが、各自がトップアスリートとして、将来サポートする場に携わる医療人として必要となるコンディショニング、正確な判断力、そして自主的かつ積極性を持ってスポーツに取り組む姿勢です。それら資質を兼ね備えた人材の育成こそが本学の使命でもあります。
ASCの役割としては次の4点があります。①学生アスリートの外傷・障害発生時の初期対応および各ケア部門、医療部門への振り分け。②学生アスリートの外傷・障害発生に関する情報収集とその分析、定期的なフィジカルチェックによる障害予防のサポート。③学生アスリートに対するケア、コンディショニング、栄養、フィジカルトレーニング、メンタルトレーニングなどに関するサポート。④スポーツバイオメカニクス観点からのサポート。2024年度のASCの利用者数は3985人。そのうち本学附属病院への紹介が0件、同鍼灸センターへの紹介・905人、Jルームへの紹介・3068人(いずれも述べ人数)。利用目的の大半を痛みの緩和、動きの改善、疲労回復、リハビリなどが占めており、このことからも学生(選手)がケガや故障の予防、コンディショニングを中心にASCを活用していることが見て取れます。
これまでの活動報告のなかで、クラブごとの男女の差異、種目特有の外傷部位や症状の種類などを精査し、本学スポーツ医科学研究所と協同してパフォーマンス向上のためのフィジカル面でのサポート強化が今後は重要になってくると思われます。
また、本学における強化指定クラブ生の約60%を女子学生が占めており、今後は女性特有の疾患対策などを含め「女性×スポーツ×医療」の研究およびトレーニング面、栄養面、メンタル面などのさらなる指導の充実を図っていく予定です。
(※1)明治国際医療大学がスポーツ振興プロジェクトで育成を目指す、スポーツ及び医療分野で活躍できる人材の呼称。