9月28日、29日の両日、ホテル京都エミナース(京都市西京区)において、大会会頭を本学基礎鍼灸学講座の篠原昭二教授、実行委員長を同講座の和辻直准教授がつとめ開催しました第41回日本伝統鍼灸学会学術大会は、盛会裏に終了しました。
 

日本伝統鍼灸学会第41回日本伝統鍼灸学会学術大会(京都大会)を終えて

本学の「洛西キャンパス」や「附属統合医療センター」があるホテル京都エミナースで、第41回日本伝統鍼灸学会学術大会を9月28日、29日に開催しました。450名を越える参加があり、非常に盛況となりました。本大会は昨年の40回記念大会のテーマ「日本伝統鍼灸の確立に向けて」を承けて、「経絡」が最も重要な鍵を握っているにも関わらず、その研究がはるかに遅れている現状を鑑みて決定しました。
会頭として今後ともぜひ注目いただきたいのは、皮膚及び皮下組織と関連する「浅筋膜」の存在です。日本の鍼灸臨床では「鍼妙」という感覚を重視しますが、その刺鍼抵抗の変化は浅筋膜が担っていると思われるからです。また経絡に関する課題も、今回の大会を切欠にさらに議論が深まると考え、一つ一つ経絡に関する研究成果を着実に積み重ねて行くことを願っています。ご参加いただいた会員および参加者の諸先生に心からの謝意を表して、御礼の言葉とさせて頂きます。

会頭 篠原昭二

 

 

2第41回日本伝統鍼灸学会 学術大会(京都大会)を開催して

今回の大会テーマは「日本伝統鍼灸における経絡の意義」でした。テーマにある「経絡」とは、体表にあって全身の各部と繫がっているエネルギーのネットワークとされています。またツボや内臓を結ぶ役目もあって、東洋医学では重要な意味をもっています。この大会では、この経絡について議論を深めました。
また学生特別セミナーでも、東洋医学の基礎的な内容から応用の実技までを聴講できるようにいたしました。参加した学生さんからは非常に勉強になったと好評でした。学生向けの教育講演では、京都大学の武田時昌教授より医学史家の立場から「鍼灸師論」を熱く語っていただきました。企業によるランチョンセミナーでは、小説家の河治和香さんによる「小説『鍼師おしゃあ』(小学館)の周辺」を講演していただき、作者が自らの鍼治療の体験も踏まえて話していただきました。
今回の開催に当たり、鍼灸学部教員、事務局、ボランティア学生、京都エミナーススタッフなど、多くの皆様のご支援・ご協力をいただきました。

実行委員長 和辻 直