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3月15日、平成24年度卒業式・学位授与式が執り行われ、166名の学生達が未来に向かって新たな一歩を踏み出しました。きらきら輝く皆さんの笑顔は4年間で培ってきた自信に満ち溢れ、とても頼もしく感じられました。今後のみなさんのご活躍を心よりお祈りいたします。なお、今年は通信制大学院の第1期生13名が無事修了し、鍼灸学研究科修士課程の学位が授与されました。
卒業式終了後「京都ブライトンホテル」で行われた卒業記念パーティーでは、4年間を共に過ごした仲間やお世話になった教職員の先生方と大いに盛り上がり、名残を惜しみながらも大学生活の最後を締めくくりました。
教室から望む山々にも春霞(はるがすみ)が立ち上り、校内を吹き渡る風にも春の暖かさが感じられる季節となった今日のよき日に、私達は新たなる進路に向け、大きな喜びと共に、晴れやかに旅立ちの日を迎えることができ、卒業生一同大変嬉しく思っています。
学長先生、副学長先生をはじめ、教職員の皆様、本日はこのような盛大な卒業式を挙行して頂き、深く感謝しています。また、ご多忙の中ご臨席下さいましたご来賓の先生方には、心からお礼申し上げます。先ほど、諸先生方からの温かいご祝辞と、激励のお言葉を承り、私たちに寄せられる期待と、与えられた使命の重さを実感し、身が引き締まる思いです。私の故郷は、瀬戸内海に浮かぶ小さな島です。その島から一変、四方を山で囲まれた静かなこの学び舎で自分の夢に向かっての挑戦が始まったのは、今から四年前でした。大学生活という新たな環境に、期待と緊張で胸が高鳴った日の事を、つい昨日のことのように思い出します。入学当時は長いと感じていた大学生活も、本日で最後だと思うと、あまりの早さに驚いてしまいますが、過ぎ去った日々は貴重な思い出に満ちています。
毎日の通学時間は、友人と悩みや何気ない日常を語り合えたかけがえのない時間でした。入学してすぐのスポーツ大会では、まだ互いにぎこちなかったクラスメイトが、全員で取り組み、鍼灸学部、看護学部の方々と、スポーツを通して打ち解ける機会となりました。また、クラブ活動や学園祭などの行事を通して、人との関わりの大切さを学び、人間性を育む事が出来ました。
講義では、今までとは違って、難解な専門用語が飛び交い、はじめは戸惑いの連続でしたが、将来の夢を実現させる為に必要であると思い、一生懸命取り組んできました。スキー場救護所実習では、骨折や脱臼をした患者さんを、初めて目の当たりにして何もできずにただ見ているだけでした。それまでは、いままで坐学で得た知識を、実習に活かそうという思いが強くありましたが、私の想定外の症状や経過があり、また多くの不安を抱える患者様にどう接していいか分からなかったりと、「私は何をしに来たのだろう」と自分の無力さを痛感しました。しかし、自分が学んできた知識や技術がどのように人の役に立てるか、自分には何ができるかを考える大切さを学ぶことができたのも事実です。卒業研究ではなかなかスムーズに研究が進まず、夜遅くまで先生に付きっ切りで指導をしていただきました。自分が関心を持ったことについて研究を進めていくと、教科書だけでは学べない結果を知ることが出来、また、得た結果を自分なりに考えていくと、その疾患についてさらなる理解を求めるようになりました。さらに得られた研究結果は福岡で開催された学術大会で発表し、全国の先輩方や学生からのアドバイスを受けたり議論することが出来ました。国家試験の勉強では、直前までやる気のスイッチが入らずに、先生方には大変心配をおかけしました。しかし、学部を超えて、諸先生方に、時間のない中で補講をして頂き、また、学校が学習の場を提供して下さったおかげで、自分達も徐々に一団となり、励まし合って、国家試験の本番を迎えることが出来ました。
こうして四年間を振り返り、私が強く思う事は、「自ら学ぶ力を持つことの大切さ」です。最初は、与えられた知識を吸収することに精一杯でしたが、今では、得られた知識から自分自身で未知の課題を見出し、その課題を解決する為の努力を惜しまず、いかに自分のものにしていくかが、学ぶ者の姿勢として重要であると思えるようになりました。今後も難解な知識を日々頭に叩き込み続けることは、容易なことではありませんが、同時に、充実感や達成感を得られる喜びでもあると思います。辛い時には共に涙を流し、楽しい時には笑い合えた、かけがえのない仲間に出会えた事は、本学で得た大きな財産になりました。多くの試練を乗り越え、ここまで辿り着く事が出来たのも、仲間との絆があったからです。仲間や諸先生方、実習で多くの事を教えて下さった患者様や、指導者の皆さまとの出会いが、どれ程の糧になったか計り知れません。素晴らしい出会いの数々に思いを馳せると、本学で過ごした時間は、私達にとって、欠くことの出来ない大切な1ページです。
本日、私たちは、この明治国際医療大学を卒業します。今後、医療人として、多くの患者様と接していくことになります。本学で培った専門知識や技術はもちろんのこと、豊かな人間性を育み、どんな時にも、患者様の気持ちに寄り添うという姿勢を持ち続けていきたいと思います。また、東洋医学と西洋医学を学んできた者として、それらを活かし、社会に貢献出来る心豊かな医療人を目指し、一人ひとりが務めを果たせるよう努力いたします。
最後になりますが、いつも私たちの傍で陰になり日向になり励まし続けて下さった諸先生方や職員の皆様に、改めてお礼申し上げるとともに、大学卒業を迎えた今日まで私たちの成長を見守り続けてくれたお父さん、お母さんに感謝します。そして、明治国際医療大学の一層の発展を願い、答辞とさせていただきます。
平成二十五年三月十五日 卒業生代表 桂 功大