本学卒後研究生修了の福野 梓先生らの研究グループ、および本学大学院鍼灸学研究科博士後期課程修了の水上まゆみ先生(現:本学研究生)らの研究グループが「平成21年度 高木賞奨励賞」を受賞されました!

この栄誉ある賞の授賞式は、平成22年6月に開催された第59回(社)全日本鍼灸学会学術大会大阪大会において執り行われました。

受賞者と受賞論文のタイトル及びその総評は、以下の通りです(受賞順)

・福野 梓、鶴 浩幸、片岡 佳介、山田 潤
「鍼刺激による屈折変化非依存性の視力向上効果」全日本鍼灸学会雑誌58(2): 195-202, 2008.

【総評】白内障手術施行者30名を対象とし、水晶体屈折度変化がない状態で鍼刺激の視力向上効果を確認したものである。
成人以後における鍼の視力向上の機序が解明される糸口となったことに大きな意義があると考えられる。
鍼治療に伴うピンホール効果の作用をとらえた点にオリジナリティーが見出される。

・水上 まゆみ、矢野 忠、山田 潤
「遠隔部経穴への鍼刺激が眼循環動態に及ぼす影響.-合谷・風池・肝兪・光明・曲池の比較-」全日本鍼灸学会雑誌58(4): 616-625, 2008.

【総評】経穴鍼刺激が網膜中心動脈の血管拡張を引き起こすことを示しており、眼の疾病治療に鍼が有効であることを客観的に示している。さらに、眼に関連が深いとされている光明穴の部位特異的な作用の存在を示唆したものであり、実験デザインも良く計画されている。今後は脳循環など関連する他の循環動態との関連性や、作用機序に関する検討を加えることで、より研究の価値は増すものと思われる。

【高木賞とは】
全日本鍼灸学会雑誌に掲載された論文から最も優秀な論文に対して表彰と賞金を贈呈するもので、高木健太郎初代会長のご遺族からの寄付等を基金とした鍼灸界で最も名誉ある賞です。
本学の教員、卒業生が多数受賞しています。

なお、これらの論文(過去の論文含む)は、全日本鍼灸学会のホームページよりダウンロードすることが可能です。