報道関係者各位
プレスリリース

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がん抑制タンパクp53がミトコンドリアの機能低下を促進し心不全の進展に関与
~英国専門誌「Nature Communications」に論文掲載~

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明治国際医療大学の金井恵理教授・京都府立医科大学の的場聖明学内講師らの研究グループは、動物実験を用いて、がん抑制タンパクであるp53が老化に伴うミトコンドリア機能障害を促進して心不全の進展を引き起こすメカニズムの一つを明らかにしました。

(Cytosolic p53 inhibits Parkin-mediated mitophagy and promotes mitochondrial dysfunction in the mouse heart)

世界で非常に多くの患者さんが心不全で苦しむ中、この研究成果が新しい治療法の新たな突破口となることが期待されます。
生活習慣の欧米化、高齢化とともに心疾患は増悪し、特に老化に伴う心不全は大きな社会問題となっています。心臓は自律拍動するためミトコンドリアでの絶え間ないエネルギーの供給を必要とする臓器です。そのため、ミトコンドリアの機能障害は心不全の進展に大きく寄与することが知られています。
今回の研究成果では、がん抑制タンパクp53が、傷んだ心筋ミトコンドリアの分解処理メカニズム-mitophagy-を阻害することによって、心不全を増悪させることを、遺伝子操作マウスを用いて示しました。

明治国際医療大学と京都府立医科大学は特別連携協定の上、組織横断的に医学研究を行っています。本研究は、明治国際医療大学 医学教育研究センター金井恵理教授と京都府立医科大学 的場聖明学内講師が主催する「心不全エネルギー代謝・細胞死研究グループ」における研究成果です。
この研究成果は、英国専門誌Nature Communicationsにて2013年8月6日より掲載公開されています。

論文はこちらからご覧いただけます。

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【本研究に関するお問い合わせ先】
明治国際医療大学 医学教育研究センター 循環器内科学教室 教授 金井恵理
TEL:0771-72-1181  FAX:0771-72-1040
研究代表者:京都府立医科大学 大学院医学研究科 循環器内科学 的場聖明 講師
TEL:075-251-5511
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