
木村 啓作(きむら けいさく) 助教
鍼灸学部 保健・老年鍼灸学講座 プロフィール 教員紹介
研究について
──先生はどのような研究をされていますか?
筋肉の硬さ変化の要因を明らかにするために研究をしています。自身もスポーツ(サッカー)をしていて、トレーニング後や身体が疲れてくると筋肉が硬くなってしまい、思うようなプレーが出来なくなったり、すぐケガをしたりすることがありました。筋肉がなぜ硬くなるのかに興味を持ち、学部のゼミ、大学院の修士・博士で研究をしてきました。
──その研究はどのような意味を持っているのでしょうか
スポーツの世界では鍼灸が活躍しています。ケガをした場所や疲れた場所は、筋肉が硬くなることが多くあります。そこに鍼灸治療を行い、痛みを取ったり疲労を軽減させることで、ケガを治療したりコンディショニングを維持したりすることが期待できます。また、筋肉が硬くなる代表的なものに肩こりがあります。肩こりは鍼灸治療で効果があるため、多くの患者さんが鍼灸治療を受けています。
──その成果はどのように社会に還元される(役立つ)のでしょうか
スポーツの世界では、選手は自身のコンディショニングやケガなどの肉体面と、チームの成績や個人の評価などの精神面のプレッシャーを常に抱えています。鍼灸治療は痛みの緩和や疲労軽減効果に加えて、リラックス効果もあるので、スポーツ選手には一石二鳥の治療と言えます。肉体面と精神面をケアすることで本来持っている力を発揮できると考えています。2020 年に日本でオリンピックが開催されることが決定し、スポーツの世界ではますます鍼灸という言葉が認知されると思います。
また、ITが普及し、現代病とも言われる肩こりや頚のこりで悩む方は多くいます。こりが改善し気分もリフレッシュすることで仕事の効率が上がり、ひいては企業の生産性が上がると思います。
社会貢献について
──どのような学会(研究会・グループ等)に所属されていますか
鍼灸に関する学会とスポーツ医学に関する学会、スポーツトレーナーに関する学会で活動しています。同業者のみならず異業種の方と議論することで、最新の知識やスキルアップができています。
臨床について
──鍼灸臨床ではどのような方法をよく使いますか
圧痛部位への鍼灸治療に加え、そこに関連する遠隔部への刺激や鍼通電療法をよく使います。
──どのような症状や病気を診ることが多いですか
頚肩部こりや腰痛、膝痛を診ることが多いです。
──鍼灸臨床のご専門があれば教えて下さい
スポーツのケガを専門にしています。
──印象に残っている症例があれば教えてください
ほとんど肩を挙げることができなかった五十肩の患者さんで、鍼灸治療後に痛みを伴うことなく劇的に肩を挙げることができるようになった症例です。
鍼灸を志したきっかけについて
──先生が鍼灸師を志したきっかけを教えてください
高校時代に強豪校のサッカー部に所属し、繰り返しの練習や試合でグロインペイン症候群になりました。その時に鍼灸師を有する専属のトレーナーがケアしてくれ、痛みが劇的に和らぎ、鍼灸に魅力を感じたことがきっかけです。
──なぜ本学を選んだのですか
大学院があるため、より専門かつ最新の知識や技術を習得できると思ったからです。また、当時は日本で唯一の鍼灸大学でもあったからです。
注)このインタビューは平成26年度に行いました。