
新原 寿志(しんばら ひさし) 講師
鍼灸学部 基礎鍼灸学講座 プロフィール 教員紹介
研究について
──高木賞奨励賞受賞おめでとうございます。どのような研究なのでしょうか?
ありがとうございます。私の学生時代からの研究テーマは鍼灸と筋循環なのですが、近年では有害事象を含めた鍼灸の安全性を研究テーマとして取り組んで来ました。現在は上記2つが私の主たる研究テーマとなっています。
──それらの研究はどのような意味を持っているのでしょうか
鍼灸は患者を治すことを目的としていますので、当然、患者を害することはあってはなりません。また、現代社会のなかで鍼灸の地位を保ちかつ高めていくためには、その時代の医療水準に合わせていくことが必要です。これらを担保するためには、鍼灸の安全性に関する継続的な研究(調査・教育・啓蒙)が必要です。
──その成果はどのように社会に還元される(役立つ)のでしょうか
卒前・卒後教育で使用される資料の(科学的)根拠となり、ひいては安心で安全な鍼灸治療を患者に提供することにつながります。
社会貢献について
──どのような学会(研究会・グループ等)に所属されていますか
(公社)全日本鍼灸学会に所属しています。平成24年6月より同学会 研究部 安全性委員会の委員長を務めています。
──どのような活動をしていますか
委員会として、安全対策に関するホームページ(http://safety.jsam.jp)の運営、全日本鍼灸学会学術大会でワークショップの開催、鍼灸の有害事象に関する調査などの活動を行っています。一般の人でも鍼灸の安全性や有害事象の現状を知ることが出来るように努力しています。
鍼灸を志したきっかけについて
──先生が鍼灸師を志したきっかけを教えてください
中学・高校時代とサッカー部に所属していたのですが、参加したトレセンで、無理な練習によるケガのために辞めた選手を何人もみて医療に興味をもったことと、高校時代に数ヶ月治らなかったイボ痔が、たった3回の灸治療で治ったことがきっかけです。鍼は大学まで受けたことはありませんでした。
──なぜ本学を選んだのですか
当時、鍼灸大学は一つしかありませんでしたし、どうせ勉強するならば専門学校よりも大学が良いだろうと考えました。大学であれば、鍼灸だけでなく他の医療・健康関係の仕事にもつけるのではとの考えもありました。結果として、私は大学院に進み、現在、教育研究職につきました。自分の将来の可能性を広げるためにも、大学に入学をして良かったと思っています。
注)このインタビューは平成26年度に行いました。